不動産投資のキホン

不動産投資のリスクとリターン

    投資って怖いの?投資ってどんなリスクがあるの?投資のリスクはどのように見極めるの?と思ったことはないでしょうか。
    投資を始めてみたい!投資のリスクについても知っておきたい!でも専門的な説明を聞いてもよくわからない…。
    これまで何となく不安に思っていた投資のリスク。正しくリスクを知れば、投資リスクは怖いことではありません。
    今回は、投資商品のリスクから不動産投資のリスクとリターンについて基礎知識をご紹介。
    不動産鑑定士がお伝えする、不動産投資に必要な知識が学べる不動産投資のベストプラクティス。

    投資とリスク

    投資と聞いて真っ先に思うこと

    “投資”と聞いて、真っ先に「不動産投資」を思い浮かべる人は少ないと思います。
    “投資”=「株」が多いのではないでしょうか。
    “投資”=「株」が、“投資”は危ないというイメージに繋がっているように思います。

    投資商品の事実

    では、本当に投資は危ないのでしょうか?
    購入した投資商品の価額が、投資金額を下回ることを元本割れといいます。

    もし、元本割れが起こる可能性があるから投資は危険だ、と考えるのであれば、「投資=危険」となってしまうでしょう。

    このような元本割れが起こる可能性がある商品が一般的に投資商品とされ、株、投資信託、外貨などが挙げられます。
    したがって、これらの投資商品を購入するためには、まず元本割れを起こすリスクを把握する必要があります。リスクを把握するにはそれなりの知識を持つ必要があります。
    預金は子どもが預けても大人が預けても、預けたお金が額面以下に減ることはありません。
    これに対して、投資商品は投資金額が全額戻らない可能性があります。投資商品の購入には、その商品のリスクを判断するための基礎知識が必要となるのです。

    投資商品の基礎知識

    投資初心者や未経験者の方は投資商品の基礎知識と聞いただけで、「もう無理!」「数字なんて苦手!!」と感じる方も多いでしょうが、いろいろな人や物の助けを借りれば、投資の基礎は十分に理解できるようになります。経済的なゆとりのため、老後の安心を得るため… 投資の目的は色々あると思いますが、とにかく皆さん一緒に頑張りましょう! 

    不動産投資のリスク

    不動産投資の収入は、主に賃料収入(インカムゲイン)売却利益(キャピタルゲイン)です。
    これに対して、不動産投資のリスクは、この収入を脅かすこと要素をいい、「安全性」、「収益性」、「流動性」の3つに大別されます。「安全性」は投資元本の安全性をいい、投資対象となる不動産の価格の下落によるリスクを指します。「収益性」は投資対象となる不動産から生み出される収入の安定性をいい、賃料下落やテナント退去によるリスクをさします。「流動性」は投資対象となる不動産が売りたい時に売れるかをいい、不動産市場が極端に冷え込む等で、対象不動産の売買ができなくなる状況をいいます。
    流動性のリスクは不動産特有のリスクと言われます。その他に、不動産はまったく同じものはなく唯一無二であることがあげられ、これにより個別の不動産特有のリスクが生まれ、他の不動産や商品との比較が困難になります。したがって、不動産投資をするときは、一般的な投資のリスクに加えて、対象不動産の個別の特性を把握した上で、現在の賃料水準は長く保たれるのか、売却のしやすさはどうであるかなどリスクを考えることになります。とりわけ、実際に不動産を購入して運用する(以下「実物不動産投資」という)場合、流動性リスクについては考えておく必要があります。

    不動産投資商品によるリスクの違い

    不動産の投資方法にも色々あり、リスクは共通しますが方法によってリスクの大小は異なります。
    実物不動産投資の場合、賃貸管理も最終的な売却も不動産所有者となる不動産投資家自身で行う必要があり、すべてのリスクを負うことになります。
    不動産をファンド化した不動産投資商品ですと、それぞれの商品により、不動産投資家のリスクを軽減させる商品になっていることが多いです。
    不動産投資信託の代表であるJ-REITは、複数の不動産を所有するファンドであり、1つの不動産の賃料が下がっても他の不動産がカバーすることができるので、投資家は賃料下落空室リスクを軽減できるメリットがあります。また、J-REITは投資家が売りたいときに自由に商品を売却できるので流動性リスクを軽減できるメリットもあります。
    その他のファンドとして、不動産特定共同事業法に基づく不動産小口化商品(以下、FTK商品といいます)についても、賃料補償があるものや、優先劣後方式の仕組みを利用して売却価格の下落に備えるなど、リスク軽減が図られています。また、投資対象となる不動産が1~数棟なので、個別リスクを確認することが容易です。1商品を少額から購入できるため、複数商品を所有して分散投資効果を図ることも可能な商品であり、近年、投資家の間で注目されています。

    J-REIT(ジェイリート)」とは、日本における不動産投資信託のことです。J-REITのJはJapan(日本)の頭文字で、REITが生まれたアメリカとは仕組みが異なるので、頭にJがついています。REITはReal Estate Investment Trust(不動産投資信託)の略称です。J-REITは、マンションなどの不動産を運用対象とする金融商品のことで、投資家の資金をもとに不動産を取得して運用し、家賃収入などの運用益や売却益が配当の原資となり、投資額に応じて投資家に分配されます。


    不動産特定共同事業法
    不動産特定共同事業法(通称、「不特法」)の不動産特定共同事業とは、将来的に資産価値が上がる可能性の高い不動産長期的に安定的な収入が見込める不動産を許可を受けた事業者が購入します。
    事業者はこの不動産を小口化商品として、複数の投資家を募集します。事業者と複数の投資家(事業参加者)は組合を作って不動産の運営管理を共同事業として行い、不動産を賃貸や売買することで家賃収入売却益などの収益が生まれ、これが事業者と複数の投資家に分配されます。


    不動産投資商品は、不動産の良さである「所有」というニーズを100%満たすものではありませんが、その代わり、上述のリスクの他に、管理の煩雑さや売買にかかるコストなどの見えないリスクを軽減させるメリットもあります。

    不動産の本来のリスク

    不動産の収入に対するリスクはわかってきたけれど、不動産に瑕疵(何らかの欠点・欠陥があること)があったり、災害があったりと様々な不動産固有のリスクを投資初心者や未経験者が調べるのは大変なのでは?と考える方もいると思います。
    でも、心配することはありません。投資初心者や未経験者が様々なリスクを調べるには、専門家に力を借りればいいのです。
    不動産の固有のリスクについては、不動産鑑定評価書などの第三者評価を取得しているか、事業者がしっかり物件内容を開示しているかなどを確認することで、ある程度は確認することが可能です。これは、債券や株などの、外部機関格付けや監査法人のコメント等と同じ意味を持ちます。。
    もちろん、投資に「絶対」はないので、専門家でも予想できないこともありますが、投資初心者や未経験者にとっては、特にリスク把握の手助けになると思います。

    不動産投資のリターン

    ここまでリスクについてお話してきましたが、ではリターンはどのくらいがいいのでしょうか。
    不動産投資のリターンは、収入から各種経費を引いたもの、実物不動産投資でいえば利益、J-REITやFTK商品であれば配当が当たります
    リスクとリターンが相関関係にあることはすでに勉強したところですが、ではどのくらいリスクを取れば希望するリターンが得られるのでしょうか。

    【72の法則】で考えてみると、5%の複利運用の場合、72÷5(年利)≒ 14.4年 くらいでお金は倍になります。
    5%あれば十分なリターンだという人もいるでしょうし、足りないという人もいるでしょう。
    ただし、1つ言えることは、投資商品を購入しようとするその時期の適正な利回りというものはあると思います。

    この適正な利回りとは、

    • 10年預金金利
    • 東証プライム市場の平均配当利回り
    • J-REIT分配金利回り

    などを参考にします。

    また、物価連動のために投資をする場合は、物価上昇率も気にする必要があるでしょう。
    欲しい利回りが10%であったとしても、その時の適正な利回りが2%であれば、利回り10%の投資はかなりリスクの高い投資かもしれません。

    適正利回りや物価上昇率を大幅に対して、あまりに大きいリターン(利回り)の投資商品に出会った場合は、その(リターンが大きい)理由を明確にし、投資商品すべきかどうかを考えることが大切だと思います。
    大きいリターンにはそれなりの理由があり、大きすぎるリターン商品は投資商品として現実的ではないということです。

    まとめ

    投資には必ずリスクが伴います。日常生活におけるリスクと同じように、知識と経験がないままリスクに直面するのはとても怖いことです。しかしリスクを恐れたままでは、何も始めることはできません。大切なのはリスクを正しく知ることではないでしょうか。

    日用品と同じように投資商品にも株や不動産といった様々な商品があります。投資商品にメリットを見出して購入すると同時に、リスクというデメリットも手に入れることになります。ただ、購入する段階でリスクに関する知識を持っていれば、リスクの小さい商品を選ぶこともできますし、リスクとリターンのバランスがとれたものを選ぶこともできるでしょう。

    不動産投資商品の中には、J-REITや不動産特定共同事業法の不動産小口化商品などがあり、投資初心者や未経験者でも少額の投資から始められるメリットがあり、賃料や空室については比較的想像しやすいリスクと言えるのではないでしょうか。

    理由もなく大きなリターンが約束された商品はありません。自分の知識と経験、生活ではどれだけのリスクが妥当なのか、それに見合うリターンを得られるのかという点から投資商品を選び、購入することで投資とうまく付き合うことができるようになるのではないでしょうか。


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    • 記事を書いたライター
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    ゆうゆう博士

    不動産鑑定士。 不動産クラウドファンディングサービス「みらファン」の立ち上げから運営を行っています。 不動産鑑定士から見た不動産投資の実状を、わかりやすくお伝えします。

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